身近に潜むアスベストと危険性

query_builder 2022/12/29
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皆様はアスベストの危険性や、身近に潜んでいる可能性があることをご存知でしょうか?

先日アスベストを含む屋根材について述べましたが、この問題は屋根材だけではありません。

今回は、アスベストの危険性やどういったところに潜んでいるかを知ってもらおうと思います。



アスベストについて

アスベストとは石綿と呼ばれる天然に産出される繊維状の鉱物のことで、綿のように軽く柔らかい形状で耐久、耐熱、耐火、耐腐食、防音、絶縁性などその優れた機能性の高さから世界中で多くの建築建材や自動車、電化製品など様々なものに使用されていました。  


しかしその後、空気中に石綿素材が飛散することがわかり、その素材を長期間吸い込むと人体に悪影響が出ることが指摘されました。  


アスベストを1%以上含む製品販売が法律上原則禁止なったのは2004年で、これ以降はアスベスト含有の製品が流通することはなくなりました。

その耐久性から住宅建材にも多く使用されていたアスベストは、2004年以前に建てられた住宅に使用されている可能性があるということになり、使用されている場所によって危険性も異なってきます。




アスベストの危険性

アスベストは危険というイメージはみなさんお持ちだと思います。

何が危険なのかと言うと、アスベストの繊維質の細かさと飛散性です。

目にも見えない細かい繊維は空気中に浮遊し、呼吸と共に肺の中に吸い込まれ、沈着します。

吸い込むと直ちに症状が出るわけではなく、長期間吸い続けることで次のような様々な疾患として現れます。


・石綿肺

粉じんの長期吸引により、肺が繊維化してしまう疾患です。肺の機能が低下していくため、呼吸困難となる事もあります。  


・肺がん

気管支あるいは肺胞を覆う上皮に発生する悪性の腫瘍です。喫煙によりリスクが増大する事もあります。  


・中皮腫

肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜、精巣鞘膜にできる悪性の腫瘍です。  


・びまん性胸膜肥厚

肺を覆っている胸膜が線維化し、厚くかつ硬くなっていく病気です。    


アスベストの性能の高さである耐久性が裏目に出て、体内でも残り続けるという結果になってしまったのです。  






アスベストの危険性の度合い


アスベストの危険性の度合いは製品から飛散する粉じんの量によって異なり、製品による石綿の露出度で変わります。


発じんの度合い

レベル1 吹付け材
吹付けロックウール
吹付けバーミキュライト
吹付けパーライトなど
レベル2 保温材・耐火 
被覆材・断熱材
保温材
耐火被覆板
断熱材など
レベル3 その他アスベスト含有建材
スレートボード
せっこうボード
壁紙
床タイル・シート
住宅屋根用化粧スレート
ルーフィング など

引用:国土交通省 目で見るアスベスト建材(第2版)より       





現在生活する住宅の不安

アスベストを含有する住宅建材が使用されていた箇所としては、外壁、屋根、室内でいうと天井や壁、床などです。  


イラスト引用:国土交通省 目で見るアスベスト建材(第2版)  


天井や壁などは生活空間になるので、必然的に粉塵を長時間吸い続けることになってしまいます。  

アスベストは、吸引し続けて10〜50年という長い期間をかけて発症します。

潜伏期間が非常に長いため、今現在何もないから安全というわけではなく、室内の建材に使われている場合は今も危険物質を吸収し続けていることになるため、いつ体の症状として現れてもおかしくありません。  


2004年以前に建築された住宅で、一度も検査を行ったことがない場合は早い段階で診てもらうことをお勧めします。








アスベストへの不安や検査のご相談は、【一般社団法人 日本住宅再生支援機構】へお気軽にお問い合わせください。