地震で家が倒壊する原因1位の「ほぞ抜け」の原理と対策

query_builder 2022/09/12
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ほぞ抜け



地震被害で多く発生してしまうのが木造住宅の倒壊。

そしてこの住宅倒壊の原因で最も多いのが「柱のほぞ抜け」による倒壊です。

では、このほぞ抜けという現象を知っていますでしょうか?  

身近で発生する可能性のあるこの柱のほぞ抜けですが、過去の被害住宅の住人もおそらく知らない人がほとんどだったのではないでしょうか。


今回は、このほぞ抜けついてよく理解し、住宅の倒壊を防ぐための対策をご紹介します。 


柱のほぞ抜けとは?

そもそも「ほぞ」とは、木造住宅に欠かせない工法で、基礎の上にある土台と柱を繋ぎ合わせている凹凸のことです。

土台にほぞ穴という穴があり、この穴に柱を上から差し込むことで固定します。

そしてほぞ抜けとは、地震の揺れの影響でこの穴から柱が抜けてしまう現象です。


通常このほぞは、震度5程度までの揺れの地震では柱等の軸組の力によって衝撃が吸収されるので抜けてしまう事はないのですが、それより大きい地震や強い直下型の地震が来て真下から突き上げられてしまうと抜けてしまう可能性があります。

一度柱がほぞから抜けてしまうと、それまで水平に保たれていた家屋の重みが行き場をなくし、重心のずれたところからたちまち倒壊してしまいます。


家屋倒壊例



同じ木造住宅でも、倒壊しない家との違い

過去の災害で、木造住宅だったにも関わらず新古問わず倒壊から免れている住宅には共通点があったことがわかっています。

これは、柱のほぞ部分に「ホールダウン金物」という器具が設置されているかどうかでした。


ホールダウン金物とは、柱と基礎部分の連結部分を強固にする金具で、ほぞ抜けを防ぐのに重要な役割を果たしています。  

そしてこのホールダウン金物は、2000年6月に改定された建築基準法で設置が義務付けされるようになりました。


つまり2000年より前に建築された住宅は、このほぞ抜けに対する対策がされていない可能性があるということでもあります。

ホールダウン金物



倒壊してからでは遅い!早めにチェックを

家屋の倒壊は、家を失うだけではなく自分の命も奪われるかもしれないとても恐ろしいものです。

そして地震はいつ来るかわかりません。

地震に対する耐震補強で、最優先といってもいいのが倒壊防止への対策。  


倒壊してからでは遅いので、今のうちに自分の家にホールダウン金物が設置されているかどうかだけでも確認をしておきましょう。

このホールダウン金物は後付け工事も可能なので、もし入っていないことが分かった場合はリフォーム工事の検討をすることをお勧めします。  






耐震診断について、また耐震リフォームのご相談は、【一般社団法人 日本住宅再生支援機構】にお任せください!