屋根の軽量化のメリット

query_builder 2022/08/07
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屋根





私たちの家を守ってくれている屋根。

一口に屋根といっても、家の構造や環境に適した様々な種類や工法があります。

現在では特に、屋根の軽量化を推奨する動きが増えています。

なぜ、軽量化が必要なのか理解を深めていきたいと思います。



屋根の今と昔

現在と昔では、屋根の役割のとらえ方は大きく変わっています。  

昔は、台風や火事など頻発する災害に対して重く燃えにくい屋根材を使うことで災害を防ぐという発想から瓦屋根が多く使用されていました。

しかし、耐震技術が低かった事もあり関東大震災などの大地震の際に瓦屋根の家屋倒壊や落下の被害が多く出て、安全の問題が浮き彫りになっていきました。  


その後から、重い屋根から軽い屋根へと屋根の軽量化への改良が進められるようになります。

時代とともに、耐震・耐火性など災害に対する様々な屋根材の技術も進み、現在では多様な種類の屋根材や工法が採用されています。




なぜ軽量化が大事?耐震性との関係

地震の多い日本で家を建てる際に、全体の構造で大きく重視しなければいけない点は耐震性です。

住宅を造る際は、基礎、柱、梁、壁などの支えとなる構造体に建物自体の重量がかかります。この時全体の重量が重いほど支える部分の負担が大きくなるため、軽くすることで耐震性は強くなっていきます。  


屋根は、建物の最上部で家全体を守るとても大切な構造体の一つで、構造物の重みにも大きく関わってきます。

使用する屋根材によって変わりますが、前途の通り全体の重量が軽い程、耐震性も強くなるため屋根材も軽い方が有利だとされています。

また、屋根は家の重心に大きく影響し、地震の際には振り子のような原理で揺れるため、最上部である屋根の重量が重いと重心は高くなり揺れ幅が大きくなります。

結果、支えとなる構造体に大きな負担を与え、倒壊のリスクが高まります。  


これらが、屋根の軽量化を推奨する主な理由となります。




屋根材の種類


現在使用されている代表的な屋根材を3つご紹介します。


種類

素材

耐用年数

価格

重量/

粘土を使って形成されている屋根材

長い

560

高価

10,000円前後/㎡

50/

スレート

粘板岩を薄い板のように加工した屋根材

短い

230

安価

4~8,000円/㎡

20/

ガルバリウム鋼板

鋼の板に金属素材をメッキ加工した屋根材

やや長め

340

やや安価

6~9,000円/㎡

約5㎏/



中でも瓦屋根は重く、ガルバリウム銅板の約10倍もあります。

しかし、耐震性の基準に則り骨格さえしっかり設計していれば、その重量はしっかり支えられるので、一概に屋根材が軽ければいいという事でもありません。

反対にガルバリウム鋼板はとりわけ軽いので、耐震性には抜群といえます。  


お好みのデザインと耐震基準、その他特徴をしっかり考え、選択するといいでしょう。




自宅の屋根は大丈夫?

補助金や助成金を使って軽量化リフォームも


問題なのは、既存の瓦屋根で耐風・耐震基準を満たしていない設計の場合です。

建築基準法が改正された1981年より前の家は特に注意が必要で、地震が発生したら倒壊が心配されます。

各自治体の出す条件に満たしている場合、国から補助金や助成金が出る場合があるため、現在自宅の屋根に不安がある方は是非活用してみるといいでしょう。


まずは、自宅の耐震性を確認することをお勧めします。





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